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大商ニュース(抜粋)  2025/03/25号

 
抜粋版は2025年3月25日号で終了しました。
 
中小企業の7割弱「新製品投入・新市場進出」に意欲
業況・経営課題の調査

 大阪商工会議所などは、中堅・中小企業の業況・経営課題や今後の取り組み方針、資金繰りや為替の影響などを把握するために実施した調査の結果をこのほど、発表した。この結果を政策提言や事業活動の基礎データとする。
 前年度(2023年度)と比較した今年度の売り上げについては、増加(47.5%)が減少(27.4%)を20ポイント以上上回った。経常利益は、増加(37.5%)と減少(34.1%)が拮抗した。
 重点的に取り組みたい経営課題(複数回答)は、「新規顧客開拓・販路開拓」(57.1%)が最多、「人手不足への対応」(45.0%)が続いた。
 今後、特に注力したいことについては、中小企業の7割弱(67.1%)が、新製品投入・新市場進出と回答した。
 外国人材については4割超(42.4%)が採用したいと答え、昨年3月に実施した調査に比べ、12.2ポイント増加。「高度・専門人材」と「現業人材」の採用ニーズが同程度に高かった。
 資金繰りについて、7割(70.0%)の企業は問題がない(「十分借り入れられている」(47.2%)と「現時点で借り入れはなく、当面借り入れる必要もない」(22.8%)の合計)。23年11月実施調査と比べ、資金繰りに問題がない企業は12.7ポイント減少した。調達資金の使途(複数回答)として最も多かったのは「経費支払い等運転資金」(69.3%)で、前回から4.7ポイント減少、次いで「新分野進出等に向けた設備投資」(27.0%)となり、これは前回比で10.8ポイント増加した。借入金利について、24年8月時点と比較して、上昇したのは4割強(43.6%)。半年後は、5割弱(48.3%)が上昇すると予想した。
 為替水準については、6割弱(56.7%)の企業が130円台より円高を望んだ。24年8月に実施した調査に比べ、7.8ポイント減少した。
 同調査は2月5~19日、大阪府内に事業所がある企業を対象に実施し、413社から回答を得た。

【問合せ】企画広報室TEL6944・6304


活躍する女性リーダー40人 ブルーローズ表彰を受賞

 大阪商工会議所は6日、「第3回活躍する女性リーダー表彰(愛称=ブルーローズ表彰)」の表彰式を大商で開き、40人が同表彰を受賞した。
 同表彰は、今後さらなる活躍が期待され、後進のロールモデルとなる女性リーダーを表彰する制度。愛称は女性リーダーがガラスの天井を打ち破ることを願い、かつて実現不可能とされるも、日本企業が開発に成功した青いバラにちなむ。
 同表彰を通し、企業における女性の役員・管理職登用を促進するとともに女性リーダーのネットワーク構築を後押しする。2016~20年度に実施した「大阪サクヤヒメ表彰」から通算すると、受賞した女性リーダーは351人となった。

第3回ブルーローズ表彰
女性リーダー 受賞者に エール

 表彰式の冒頭で大阪商工会議所の鳥井信吾会頭は、「受賞された皆様は次世代の女性たちにとって、道しるべともいえる頼もしい存在。受賞者同士の新たな交流・つながりを深め、新たな価値をつくり、日本の社会を動かす原動力となってほしい」と祝意と期待を述べた。
 長谷川惠一選定委員長(大商人材育成委員長<エール学園総長>)が総評した後、鳥井会頭がガラス製の表彰楯とブルーローズにミモザなどをあしらった花束を受賞者に贈呈した。
 受賞者を代表し、グンゼの吉川智美人事総務部綾部総務課課長が「40人の仲間と一緒に受賞できたことは大変光栄。全ての人が自分も相手も尊重し、力を発揮できる社会の実現に向けて、行動し続けていきたい」と述べ、式典を締めくくった。


■受賞40人(敬称略、氏名五十音順)

  浅野 祐子  (エヌ・ティ・ティ・メディアサプライ
           ブロードバンドサービス事業本部
           ビジネスサービス事業部 担当課長)
  今中 未余子 (南海電気鉄道 泉北事業部長)
  上野 宗洋  (Eggplant 代表)
  浦中 麻由良 (日本生命保険相互会社 大阪・関西万博推進部 兼
           ヘルスケア事業部 専門部長)
  大澤 園子  (関西電力 ソリューション本部 法人営業第一部
           法人営業グループ 部長)
  大塚 三紀子 (実身美 代表取締役)
  大槻 美弥子 (丸一鋼管 執行役員秘書室長)
  長倉 永以子 (一般社団法人桜守 代表理事)
  加賀 加代子 (CORE技術研究所 管理部 部長)
  川畑 晶子  (カナデビア ICT推進本部 高度情報
          システム部長 兼 人材マネジメント
          システム・コミュニケーショングループ長)
  河原田 さおり(大阪シティ信用金庫 平野上町支店 支店長)
  北村 麻貴  (積水ハウス 兵庫シャーメゾン支店 神戸I店副店長)
  黒田 朋子  (大同生命保険 主計部 会計課長)
  髙坂 順子  (ロイヤルホテル 経営企画部 ブランド戦略推進室長) 
  柴野 輝美  (タカラベルモント 開発本部 副本部長)
  志摩 博子  (大和リース 環境推進部・担当課長)
  島尻 佐和子 (理光フロートテクノロジー フロート事業部
           品質管理部 次長)
  鈴木 亜紀子 (大塚製薬 ファーマコヴィジランス部部長(PV部))
  住吉 彩   (My Land 代表取締役)
  髙須 優子  (西日本旅客鉄道 鉄道本部CS戦略部
          CS推進室長(理事))
  竹中 美江子 (池田泉州銀行 稲野支店 支店長)
  田中 亜紀  (関西電力 人財・安全推進室 安全推進担当部長)
  田中 瀬吏捺 (クリーン・テクノロジー 技術開発チーム)
  德田 泰子  (ヘルシーオフィス フー 代表取締役)
  友杉 早苗  (大阪信用金庫 経営企画部・調査役)
  仲窪 祐美  (関西みらい銀行 王子支店 支店長)
  中田 有美  (一般財団法人日本気象協会 関西支社
           環境・エネルギー事業課長)
  中谷 敬子  (大阪公立大学工業高等専門学校 教授)
  西 美紀   (ショーエイコーポレーション
           ダイバーシティ推進室主任)
  西内 慶子  (関電システムズ ソリューション本部 テクニカルラボ
           DevOps推進G・テクノロジスト
           プロフェッショナル)
  長谷 裕代  (オフィス長谷裕代 取締役会長)
  東口 敏子  (社会保険労務士法人大阪経営 社員パートナー)
  福島 若葉  (大阪公立大学 教授)
  古久保 仁子 (りそな銀行 住道支店 支店長)
  細岡 佳代  (大林組 本社設計本部大阪設備設計第一部・課長)
  松尾 真希  (Frank PR 代表取締役)
  松久 藤子  (三井物産 関西支社 副支社長 兼 業務部長)
  向井 絵里子 (ウマント・ラボ 代表取締役)
  柳瀬 佳子  (レンゴー 監査役室 担当部長)
  吉川 智美  (グンゼ 人事総務部 綾部総務課 課長)

【問合せ】研修・採用支援担当TEL6944・6499


「日本・アセアンの未来」議論
EXPO記念シンポ 4月21日

 大阪商工会議所は日本経済新聞社大阪本社、日本貿易振興機構(ジェトロ)大阪本部とともに4月21日、日本アセアンの未来を議論するシンポジウムを大商で開く。
 大商の鳥井信吾会頭の開会あいさつ、アセアン事務総長・経済産業相(予定)のビデオメッセージに続き、大商が連携するインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの商工会議所代表者ら(予定)が、日アセアンの経済関係の深化に向けた今後の取り組みを話す。また、国際機関日本アセアンセンターの平林国彦事務総長が特別講演し、アセアン最大級の越境ECプラットフォーム「Shopee」のYuna Kwon日本・韓国クロスボーダー統括が基調講演する。パネル討論では、タイ発ホテルチェーン、脱炭素化に取り組むインドネシア企業、世界で活動する日本人起業家集団の3人が、日アセアンビジネス創出の可能性を議論する。午前10時~正午、日英同時通訳付き。会場横では、アセアン企業との交流会も行う。午前9時~午後1時。

【問合せ】国際部TEL6944・6400


中小企業の経営課題解決へ 支援機関などが164社に助言

 大阪商工会議所と大阪信用金庫は11日、「課題解決型マッチングフェア」を大商で開いた。同フェアは、多種多様な中小企業の課題解決を図る支援機関・連携企業がブースを構え、経営課題を持つ中小企業の相談に応じるもの。
 経営課題を持つ中小企業164社が参加し、海外進出、脱炭素、デジタルトランスフォーメーション(DX)、事業承継・M&A、人材雇用、技術・知財、販路開拓など多種多様な中小企業の課題解決を図る34支援機関・連携企業から対面で具体的なアドバイスを受けた。
 開会式には髙井嘉津義・大阪信用金庫理事長と立野純三・大商副会頭が出席。立野副会頭は主催者あいさつで、「中小企業は単に生き残るだけでなく、持続的な成長を実現するために、新たなビジネスモデルの構築や既存事業の革新といった、より積極的な取り組みが求められている。このフェアをきっかけに、自社の課題解決に向けて、積極的に行動を起こしてほしい」と呼びかけた。

【問合せ】経営相談室TEL6944・6451


医療分野参入を支援 74件が事業化

 大阪商工会議所は、産学医・産産連携による医療分野の課題解決・事業創出を目的とする「次世代医療システム産業化フォーラム2025」を実施する。
 医療分野への貢献は、社会課題解決を通じた企業価値の向上の観点から注目を集めている。デジタル化や医療従事者の働き方改革への対応をビジネスチャンスと捉え、異業種からの新規参入が活発化。医療課題への取り組みは、企業の魅力向上や人材確保の観点でも期待が高まっている。
 同フォーラムは、異業種からの医療分野への新規参入促進による新ビジネス創出のため、大商が全国に先駆けて2003年から実施する医療機器開発プラットフォーム事業。全国の医療機関・大学などとのマッチングや事業戦略・法規制などの課題に対する専門家による相談対応、医療従事者による製品評価の機会提供、販路開拓支援など、医療機器開発案件の創出から事業化までを一貫して支援する体制を整えている。その結果、革新的な治療・診断医療機器から、法規制対象外の医療現場などで必要性が高い設備やシステム・課題改善製品・サービスまで累計74件が事業化された。

【問合せ】ライフサイエンス振興担当TEL6944・6484


災害想定した事業計画を
BCP策定 支援

 大阪商工会議所は、自然災害に負けない企業づくりへの第一歩として、最低限決めておくべき項目に絞った様式の大阪府「超簡易版BCP『これだけは!』シート」を活用して、事業継続計画の策定を支援している。
 浸水でサーバーや製造機器が故障、大地震が発生し工場が損壊するなど、自然災害による緊急事態は突然発生する。緊急時に事業停止や事業縮小を余儀なくされないためにも平時から事業継続計画(BCP)を準備し中核となる事業の継続・早期復旧を図ることが重要。

【問合せ】経営相談室TEL6944・6472


小規模事業者持続化補助金 早期相談を受け付け

 大阪商工会議所の各支部は、令和6年度補正予算で実施する予定の「小規模事業者持続化補助金」申請を希望する事業者からの早期相談を受け付けている。同補助金では、小規模事業者等が経営計画に基づいて取り組む販路開拓事業に50万円(特例活用の場合、最大250万円)の補助金が受けられる。公募開始日や詳細についてはまだ公開されていないが、早期に相談することで、時間をかけて、より良い計画作成を行える。相談時間は平日の午前9時~正午、午後1~5時。


貿易部会

日 時 4月10日14:00~16:00
場 所 大阪商工会議所
議題① 2号議員の補欠選任
議題② 正副部会長の選任
議題③ 講演「第2期トランプ政権と米中関係の展望:中国側の視点から」(仮)
      住友商事グローバルリサーチの前田宏子国際部シニアアナリスト

【問合せ】国際部TEL6944・6411


マクロミクロ――未知との遭遇

 職場近くのインド料理店のテレビではいつもクリケットの試合が流れていて、インド出身と思しき客人は画面に釘付けになっている。詳しいルールはさておき、実況アナウンサーの興奮具合や観客の声援から、なんとなく試合の展開がわかってくる▼イギリス発祥で野球のルーツともいわれるこのスポーツの世界競技人口はサッカーに次ぐ3億人、野球の3500万人を大きく上回る。日系企業も現地プロリーグのスポンサーに名を連ね、トップ選手の収入は30億円を超える▼このイニングまで観て席を立とうと思ったが、なかなか攻守が交代しない。手元のスマホで調べると、クリケットの試合は2イニング制、10アウトで攻守交代、伝統的なルールの場合、試合中にティータイムや食事をはさみ、試合終了まで数日かかることもあるそうだ▼百聞は一見に如かず。図らずもこれまで関心のなかったクリケットの面白さに引き込まれた。世界にはまだまだ私の知らない熱狂がある▼来月13日、待ちに待った大阪・関西万博が開幕する。世界中からまだ知らないワクワクがここ大阪の夢洲に集結する。さあ、熱狂する準備はできている。(緋鯉)

◆個人情報の取り扱い
 大阪商工会議所が主催するセミナーなどの参加申込書にご記入いただいた情報は、大商からの各種連絡・情報提供に利用するほか、講師には参加者名簿として提供します。


情報・通信部会、ベトナムへ視察団
日越連携強化に向け議論

 大阪商工会議所の情報・通信部会は、デジタル変革推進委員会との共催で、2月26日~3月2日、「ベトナムIT事情視察団(団長=根本浩二・情報・通信部会長<NTTドコモ執行役員 関西支社長>、共同団長=小林充佳・デジタル変革推進委員長<西日本電信電話相談役>)」を派遣した。
 同視察団は情報通信技術(ICT)に関する国内外の最新事情を見学することで、今後の情報・通信分野の発展に向けた方策や訪問先企業などとの連携を検討する機会として毎年開催。今年度はベトナムのホーチミン、ダナンを訪問し、14人が参加した。
 初日はベトナム経済の中心地である南部ホーチミンで、同国への進出や現地での事業展開を支援する、日本貿易振興機構(ジェトロ)のホーチミン事務所を視察。同事務所の松本暢之所長から、現地のIT事情や経済情勢などについてのブリーフィングを受けた。
 2日目からは、現地企業を訪問。国営のベトナム3大工業団地の一つである「サイゴン・ハイテクパーク」では、半導体チップデザインセンターなど、先端研究施設を見学するとともに、同パークの各部門長らと、日越双方のビジネス環境や連携可能性について意見交換した。
 続いて訪問した、同国最大手の通信企業「FPTソフトウェア」では、人工知能(AI)や金融、教育など、通信技術を核に多岐にわたって展開する同社のソリューションの紹介を受けたほか、約7000人を収容する同社オフィスを視察した。
 3日目は、ベトナム第3の都市である中部ダナンで、「IT人材育成」をテーマに視察を実施。中部最大の工科系大学であるダナン大学工科大学で、ホイ・グエン・タンIT学部長と面談し、人材育成の取り組み状況について説明を受け、減少傾向にある日本との人材交流、産学連携の促進に向けた議論を交わした。そのほか、パソナグループが現地に設立したBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)、人材育成拠点の「パソナDXハブダナン」を訪問した。各訪問先で活発な議論が行われ、日本との連携意欲の高さがうかがえた。
 情報・通信部会は、今後も国内外の視察会を実施し、新たな事業の創出の場を提供していく。

【問合せ】産業・技術振興担当TEL6944・6300


大商×UR都市機構 最新技術を活用し実証実験

 大阪商工会議所と独立行政法人都市再生機構(UR)が共同で実施した大阪城東部地区における実証実験の公募事業が全て終了し、採択された11件の実証実験が完了した。
 同事業は2024年3~5月に「あたらしい価値の創出」などを目的に募集したもので、24年10月から順次実施した。採択した実証実験のテーマは多岐にわたり、物流ドローンを活用した団地内の高層階住民向け荷物配送や、人工知能(AI)を利用した団地住民の簡易歯科検診、拡張現実(AR)技術を活用した団地内のARアート作品展示など、最新技術を活用した取り組みをUR森之宮団地などで行った。
 今回の実証実験は団地住民参加型で実施したことが特徴で、団地住民から製品やサービスの使い勝手について、住民目線のリアルな声が実証実験実施企業にフィードバックされた。参加企業からは、「今回の実証実験を通じて、プロトタイプを楽しく使ってもらう様子を直接確認できた。この経験は今後の事業展開に良いきっかけとなった」などのコメントがあった。
 今後も、大商は大阪で実施する先端技術を活用した実証実験を支援し、大阪で新しいビジネスを生み出す「実証事業都市・大阪」の実現をめざす。
 実証実験実施企業とテーマは下表の通り。

■企業・団体(五十音順)、実証実験テーマ

 大林組
  「データを活用した『みんまち(R)プロジェクト』によるエリア活性化」
  の実証実験

 スパイスキューブ
  「CO2削減装置の開発」の実証実験

 大日通信工業
  「電波の揺らぎを利用した動体検知装置」の実証実験

 竹中工務店
  UR森之宮団地におけるマイクロMaaS実証実験
  (遠隔操作モビリティによるラストワンマイル団地内移動)

 竹中工務店
  ラストマイル・ドローン物流実証実験

 竹中工務店
  歩行促進プログラム『ステップ・るーらー』の実証実験

 テクノサポートデザイン
  「街ナカを美術館にするARアート作品展示による地域のにぎわい創出」
  の実証実験

 歯っぴー
  AI歯科検査で団地住民の健康を守れ!医療崩壊前の日本社会への挑戦

 Planetary Wellness
  心身の健康状態予測技術の実証実験

 一般社団法人ブレインインパクト
  BHQ Search体験

 リアライズ造園設計事務所
  「樹木管理システムの構築」の実証実験


【問合せ】産業・技術振興担当TEL6944・6300


中国・杭州で大阪進出呼びかけ 万博へ関心高まる

 大阪外国企業誘致センター(O―BIC)は6日、中国・杭州で開かれた日中間における双方向の投資促進イベントに参加し、大阪・関西万博を契機とした大阪のビジネス環境の魅力を発信した。
 同イベントには、日本へのビジネス展開に関心を寄せる中国企業や、中国ビジネスに関わる日本企業関係者らが多く来場。中国企業の万博への関心は高まっており、「万博を通じて新たなビジネスや革新的な技術が生まれることに期待」などの声が聞かれた。
 主催団体の一つの36Krの謝作強副総裁は、「海外進出を目指す多くの中国企業が、大阪を日本進出時の有力な候補地として注目している」と語った。
 O―BICは今後も大阪の魅力を発信し、海外企業の大阪進出を力強く後押しする。

【問合せ】O―BIC事務局(大阪商工会議所国際部内)TEL6944・6298


機械・金属加工業者 互いの強み 情報交換

 大阪商工会議所は2月20日、大阪信用金庫と共催で「ものづくり加工ネットワーク強化交流会」を大阪市港区で開き、26社が参加した。
 これは、機械・金属加工業を対象に「どんな工作機械を保有し、素材をどんな精度で加工できるか、得意なロット数は」など詳細な設備情報と連携を希望する加工技術を参加者間で交換しながら交流するもの。
 少人数の情報交換会と全体での交流会の2部構成。大商の経営指導員や大阪信金スタッフがコーディネーターとして円滑な進行を支援し、290件の商談が交わされ、取引成立・可能性ありとの件数は42件に上った。
 参加者からは、「加工課題に対する助言がもらえた」「自社の強みを直接アピールできた」などの声が寄せられた。

【問合せ】西支部TEL6539・1666


ビジネス会計検定 申込者数 前年比増

 大阪商工会議所は9日、財務諸表を読み解き、ビジネスに活用する力を身につけることを目的とした「ビジネス会計検定試験」の第36回試験を全国17都市で実施した。
 業種や職種を問わず、簿記知識がなくても受験できるため、企業の人事評価制度に導入されるなど関心が高まっており、第36回試験の受験申込者数は7490人と前年同期比で7.6%増加した。
 次回の第37回検定試験は10月19日、2・3級を対象に行う。

【問合せ】検定担当TEL6944・6430


創立・創業記念日 企業家精神に触れる
企業家ミュージアム

 大阪企業家ミュージアムは、大阪商工会議所の会員企業を対象に、自社の創立・創業記念の週に同施設を見学できる機会を提供している。
 企業家精神に触れ、創業者の志や理念などを思い起こし、今後の活躍の契機にしていただくことが狙い。利用者からは「先人経営者の事績からビジネスのヒントを得ることができた」「従業員もOBも無料で見学できるので毎年利用している」と喜ばれている。

【問合せ】大阪企業家ミュージアムTEL4964・7601


SeriesA;セレクション 輝く未来社会の創り手ここにあり 大阪・関西万博に出展 <7>
リアルワールドゲームス: 楽しく歩き健康に ゲーム開発

 近年、技術の進展により取得が容易になった位置情報を活用して、多くの企業がマーケティングやサービス開発などに取り組んでいる。
 リアルワールドゲームス(東京都)は、独自開発の3D地図エンジンを掛け合わせた「まちを舞台とした位置情報ゲーム」で健康社会の実現をめざす。
 創業のきっかけは、同社の清古貴史社長自身の健康不安からだった。清古社長が位置情報ゲームに出会い、4年間で地球半周分にあたる約2万キロを歩き、健康不安を払拭した経験から、人々が楽しく歩き、健康になれるサービスの開発を決意。
 しかし、既成の地図エンジンを購入すると費用がかさみ、安価で小回りの利くコンテンツ提供が難しくなる。そこで同社は、4年がかりで独自の地図エンジンを開発し、連携先ごとのカスタマイズを可能にした。
 現在では、全国31の鉄道会社と提携し、廃駅を含む1万駅以上の駅を巡りまち歩きができるコンテンツを中心に、自治体などとも連携し、地域に根差したイベント展開などを行っている。
 大阪・関西万博には、「未来社会をデザインする」という万博のテーマに共感して出展を決めた。ゲームを通じて人々がワクワクする未来を想像できるよう、生活リズムからおすすめの行動をAI秘書がアドバイスしてくれる新サービスを展示する予定だ。万博を契機に、大阪に活動拠点も置く予定で、同社の万博担当の岡崎渡睦氏は「関西の企業との連携や万博レガシーとなる事業開発にも取り組みたい」と意気込む。

【問合せ】産業・技術振興担当TEL6944・6300


町工場から世界へ 大阪商工会議所×大阪信用金庫 大阪・関西万博に出展 <11>
ええやないか: 針なしで5秒! 血糖値測定

 大阪のベンチャー企業、ライトタッチテクノロジー(大阪市)が開発した、針を使わない血糖値測定センサーが注目を集めている。同社は、2025年大阪・関西万博に出展し、未来のヘルスケア創出に向け、この画期的な技術を世界に発信する。
 このセンサーは、従来の採血による血糖値測定とは異なり、中赤外線レーザーを用いて、皮膚を通して非侵襲的に血糖値を測定するというもの。わずか5秒で測定結果が得られるため、糖尿病患者のQOL(生活の質)向上に大きく貢献することが期待される。
 この技術の最大の特徴は、中赤外線レーザーを用いることで、血糖値を正確かつ迅速に測定できる点にある。従来の近赤外線レーザーでは測定が難しかった血糖値を、高い精度で測定できる。これは、同社の長年にわたるレーザー研究の成果であり、特許を取得している。
 この技術は、糖尿病患者だけでなく、健康意識の高い人々にとっても、日々の健康管理に役立つツールとなる。また、医療現場においても、患者への負担を軽減し、医療の効率化に貢献することが期待される。
 同社は、この技術をさらに発展させ、他のバイオマーカーの測定や、AI(人工知能)との連携による健康管理サービスの提供なども視野に入れている。大阪・関西万博を起点に、世界中の人の健康に貢献していくという。
 同社の血糖値測定センサーは、医療分野に新たな可能性を開く画期的な技術である。この技術が、より多くの人々の健康な生活に貢献することが期待される。

 ライトタッチテクノロジー 山川考一社長。大阪市城東区

【問合せ】中小企業振興部TEL6944・6461


大商のがんばる会員さんを紹介します!

■ランドセルのサブスクサービスで、「ラン活」市場の台風の目に

 誰もが知るランドセルの歴史は長く、1887年に伊藤博文が大正天皇に献上したものが発祥とされる。最近のランドセルは形・色・素材が多様化し、入学時の子や孫へのプレゼント選びは「ラン活」と呼ばれ、高価な限定品などは1年以上前に予約しなければ購入できないという。
 そんななか、老舗ランドセルメーカーのコクホーから分社したRANDS(中央区、庄山理恵代表、https://www.rands-kokuho.jp/)は、ランドセルのサブスクサービスを開始。約250種類の製品が1カ月からレンタルでき、契約期間中の交換・買い取りできるコースもある。入学時の「お試し」需要や在学中の体形・経済状況の変化など様々なニーズに対応できるとあって、「ラン活」市場の台風の目となりそうだ。

■AI文書管理「ドキュパカ!」で中小企業DXを推進   

 アルパカ(東淀川区、石垣翔太代表取締役、https://al-pa-ca.com/)は「中小企業の1社に1人DX/AI担当者を」という理念のもと、生産性向上を支援する業務アプリの開発業者として創業3期目を迎えた。
 中小企業がDXを検討する中で「どこから手をつけるべきか分からない」という現場の課題解決に、AI文書管理サービス「ドキュパカ!」を開発。名刺や請求書、図面をスキャンするとAIがデータを成形。手入力の工数やミスを削減するとともにビッグデータが蓄積され、企業の課題把握にも役立つ。「第20回ビジネスプランコンテストドリームDASH!」では野村證券賞、「ミライノピッチ2024」ではさくらインターネット賞など複数受賞。今後もさらなる技術強化と顧客満足度向上を目指す。


特集 繊維・ファッション産業の未来 ただいま準備中
2025年大阪・関西万博出展企画「サステナブルに基づく繊維ファッション産業の共創プロジェクト」

異業種の中小企業17社 万博出展へ展示物を共創
CHANGE FASHION チェンジファッション

 大阪商工会議所と関西ファッション連合は、9月、2025年大阪・関西万博「大阪ヘルスケアパビリオン」内の中小企業出展ゾーン「リボーンチャレンジ」に「サステナブルに基づく繊維・ファッション産業の未来共創プロジェクト」を出展する。テーマは「未来のファッション」。繊維・ファッションに関わる中小企業17社が協力し、展示物を共創、イノベーションを生み出すことを目指している。2年以上にわたる出展準備期間も終盤を迎え、企画段階から展示物制作を進める段階に入っている。
 同プロジェクトは2023年春に出展企業を募集し、25社から応募があった。同年夏には、応募企業が自社の製品、技術などをプレゼンテーション・交流する「プレゼン&交流会」を開き、展示内容を検討するグループを組成した。その後、グループ別のディスカッションを4回実施、17社が4グループに分かれ展示物を制作する体制が固まった。
 出展企業には、化粧品メーカーや自動車解体業など異業種も含まれ、同プロジェクトで初めて知り合った企業がほとんど。意思疎通のためのグループミーティングや企業見学を頻繁に開催。企業に不足するデザインの分野は服飾専門学校の学生にも参画してもらった。
 失敗や試行錯誤を重ねながらも、出展企業の万博に対する想いは強く、興味深い展示企画がいくつも生まれている。また、実際に取引が始まるなど、交流の中でネットワークも広がっている。
 出展期間は9月23~29日の1週間。

■EXPO2025への道のり: 
  2025大阪・関西万博の展示物を企業同士で共創中!


 ◎START 2023年 春
   25社から出展企業の応募がありました!
       ↓

     プレゼン&交流会
      互いの強みをプレゼンテーション。グループに分かれて
      ワーキングを重ねました! 
       ↓

 ◎出展企業選考 2023年 夏~冬
       ↓

 ◎出展企業決定 2024年 春
   出展企業17社が決定しました。
       ↓

 ◎異業種との共創
   自動車解体業や化粧品メーカーなどの異業種企業と共創
    万博をきっかけに初めて出会う企業が話し合いながら共に未来の
    ファッションを製作。 
       ↓

     出展企業同士でのミーティング
     専門機関との相談
       ↓
     
 ◎試行錯誤中!
   たくさんの失敗も。試作に試作を重ねる。
       ↓

     出展企業の見学
       ↓

 ◎学生との共創
   学生も参加し奮闘。
   中小企業の底力やものづくりに対する想いも勉強!
       ↓

 ◎メディア取材
   万博を契機に中小企業に注目が集まる。
       ↓

 ◎GOAL!? 2025年9月23日(火)~29日(月)
   2025大阪・関西万博 大阪ヘルスケアパビリオンに出展します。
       ↓

     To be continued...
     万博後も繊維・ファッション産業の新しい挑戦は続きます!


■出展企業17社(社名五十音順)

  オーミケンシ            (大阪市中央区)
  京都紋付              (大阪市中央区)
  ケアファッション          (大阪市中央区)
  三恵メリヤス            (大阪市北区)
  太洋商店              (大阪市中央区)
  東紀繊維              (大阪市中央区)
  ブローレンヂ            (大阪市西区)
  北高                (大阪市中央区)
  マツオインターナショナル      (大阪市中央区)
  丸十                (東大阪市)
  学校法人ミクニ学園 大阪文化服装学院 (大阪市淀川区)
  桃谷順天館             (大阪市中央区)
  山本化学工業            (大阪市生野区)
  ヨシダ               (大阪市東成区)
  吉村解体              (羽曳野市)
  リゲッタ              (大阪市生野区)
  ロイスエンタテインメント      (大阪市中央区)


■共創展示物(試作品)をチラッと紹介

[宙に浮く靴]
 「宙に浮いてみたい」という夢をカタチにした靴。「電磁石」の反発を利用して浮かせている。素材は環境に優しい伸縮率7倍の特殊なゴム素材。将来的には介護分野での応用も考えている。
 課題はとにかく安定して浮かせること。また、展示を通してワクワクする未来像をどのように魅せるかも検討している。

[光合成する服]
 布地に植物を植え付けるなどにより、自然との共生を表現した服。裏地には、肌にも地球にも優しい化粧水を練り込んだ繊維「モイストファイバー」を使用している。課題はいかに布地に植物を定着させるか。温度管理や水やりによっては枯れてしまうこともあり、細かな調整が続く。

[折り紙型エアバッグ再生服]
 1枚の布から、折り方を変えると「シャツ」や「ジャケット」など2通りの着方ができる服。「折り紙」をヒントに学生が考えた。素材は自動車のエアバッグや環境に優しいコットン生地。「黒染め」技術も活用している。
 課題は、折った後の仕上がりサイズの調整が難しいこと。企業と学生で試行錯誤を重ねている。


■出展企業17社を本紙で紹介

 万博を機に、共創しながら繊維・ファッション産業の未来に向けて挑戦する17社を本紙2024年5月25日号から2025年3月10日号まで連載で紹介した。


【問合せ】流通・サービス産業部TEL6944・6493


2025.03.28
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