大阪商工会議所 HOME

年頭所感

積極果敢なチャレンジと改革の断行を
平成20年1月1日


 謹んで新年のお祝いを申し上げます。

 昨年の日本経済は、輸出と設備投資を牽引役として、確かな足取りで拡大を続け、新たな成長局面へと踏み出しました。しかし、原油価格の高騰や住宅着工の急減、株安・円高の進行など、予想外のリスクに見舞われ、先行きの不透明感も顕在化しました。
 また、政治においては、衆参両院の“ねじれ現象”の下で、内政・外交両面で停滞が見られ、憂慮すべき状況が続いています。企業においても、食品や建材の偽装といった不祥事が相次ぎ、経営者には世間から高い倫理観とコンプライアンスの再徹底が求められています。
 こうした中、大阪・関西経済は、中堅中小企業を中心に足踏み感があるものの、経営者の景況感は概ね全国水準を上回るなど、全体として底堅く推移しています。また、関西国際空港の完全24時間空港化や世界陸上大阪大会の成功により、世界に向けて存在感を示すこともできました。

 さて、本年の我が国経済を展望すると、引き続き企業・輸出部門が好調さを堅持し、緩やかながらも拡大基調が続くものと思われます。しかしながら、国内外のリスクは早々に解消するとは考えられず、国民の将来に対する漠然とした不安感を早急に払拭することが必要です。そのためには、我が国の成長路線を確固たるものとすべく、政治・経済・経営の全ての分野において、スピード感を持って改革を断行するとともに、リスクに対して恐れず、遁げずに向き合い、積極果敢にチャレンジしなければなりません。本年は、「リスクに怯まず果敢にチャレンジし、改革の手を緩めない年」にしていきたいと存じます。
 大阪・関西においても、事業再編や投資拡大といった中堅中小企業のイノベーションの遂行、グローバル化に伴うアジアを中心とする海外諸国との一層活発な交流、空港・港湾・道路・鉄道といった都市インフラや主要ターミナル拠点の早期整備など、産業競争力強化に向けた取り組みを加速していくことが重要です。新しい府政・市政においても、行財政改革と経済成長戦略の手を緩めず、大阪・関西経済を強力に牽引していただきたいと存じます。そうした官民をあげた改革の実行により、地域の賑わいがさらに増すとともに、大阪・関西が日本の持続的成長をリードしていくことができると考えています。

 そうした中、このほど、大阪商工会議所においては、大阪・関西経済の活性化、地域の賑わい創りを目指した当地の成長戦略である「大阪賑わい創出プラン」に基づき、2008年度から取り組む「第2次アクションプラン」を策定しました。今年度で終了する「第1次アクションプラン」の成果や課題、環境の変化を踏まえ、スクラップ&ビルトの視点でラインナップを見直したものであり、今後、34のアクションプランを推進してまいります。
 特に重点的に取り組んでいくべきテーマは、三つのエンジン産業の振興を深化・加速させることです。家庭・業務部門のCO2削減に向けて省エネ住宅・ビルの開発・普及をはかる「環境貢献型の新しいモノづくり産業の振興」や大阪の優れた観光資源を有機的に組み合わせた「都市型ツーリズムの振興」、そして、北大阪における「バイオクラスターの早期形成」といった新たな事業に取り組みます。
 また、地域経済の大宗を占める中堅中小企業の活力増進に向けて、10支部を中心とした経営革新支援策を強化します。加えて、モノづくり人材の育成やサービス産業の生産性の向上、商店街の活性化といった多彩な事業を精力的に実施してまいります。

 こうした大阪商工会議所の事業を実効あるものとするためには、会員の皆様の積極的なご参画が不可欠であります。大阪商工会議所は、本年も会員の皆様とスクラムを組んで、地に足の着いた活動を着実に進めるとともに、地域や企業からの幅広いご支持を得られる「なくてはならない」経済団体となることを目指し、積極果敢にチャレンジしてまいります。

   皆様方には、一層のご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2008.1.4更新
Copyright(C) 1996-2008 大阪商工会議所
大阪商工会議所のトップページへ